株式会社サイプレス・スナダヤ

CLT

CLT

繊維方向が直交する
ひき板を繊維方向が 直交するように接着した木材です

CLTとは「Cross Laminated Timber」の略称で、日本語では直交集成板と呼ばれ、ひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように接着剤で貼り合わせた木材製品の事です。1990年代にオーストリアで開発された、比較的新しい木質建材で、開発国であるオーストリアを中心に発展し、現在ではヨーロッパや北米の各地の建築物に採用され、急速に普及しつつあります。


CLTの特徴

3mx12m
日本最大サイズである3m x 12mのCLT

CLTは特別な接着剤を用いて板と板を張り合わせたり、つなぎ合わせたりする事により、既存の木材製品では実現できなかった大きな厚み、幅、そして長さを実現可能です。この特徴により、木造建築が一般的であった小規模建築物のみならず、木造建築では実現が難しかった大規模建築物や中高層建築物への木材利用を可能としています。実際にカナダやアメリカ、オーストリアではCLTを利用した高層建築物が建設されています。

※ 日本で製造可能な最大サイズのCLTは幅3m、長さ12m


CLTのメリット

フィンガージョイント
フィンガージョイント

CLTを利用した建築物の具体的なメリットとしては、鉄筋コンクリート造の建築物にくらべて、コンクリートの養生期間が不要になるため、施工期間が短くできる事や、同じ強度(※この場合曲げ強度のこと)を実現する上でコンクリートや鉄骨よりもCLT(木材)の方が軽くできるため基礎工事の簡素化ができる事、同じく、コンクリートや鉄骨と比べて、同じ厚さで比較するとCLT(木材)の方がより断熱性が高い事などのメリットがあります。


日本におけるCLT

CLT製品
CLT製品
JAS認証書
JAS認証書

日本でもCLTは注目されており、2013年12月に製造規格となるJAS(日本農林規格)が制定され、続いて2016年4月にCLT関連の建築基準法告示が公布、施行されました。これによってCLTの一般利用が開始され、徐々に普及が進んでいます。

今後、日本の人口が減少するにつれて、木材の利用用途として最も一般的な木造住宅の着工数が減少し、木材の需要そのものが減少してしまう事が懸念されています。そこで、日本でも欧米諸国で普及が進みつつあるCLTに着目し、住宅以外の公共建築物や商業施設、集合住宅、オフィスビルなどに木材を利用してもらい、木造住宅の着工数が減少しても木材の需要がさらに拡大するように、日本におけるCLTの普及に力を入れています。当社はCLTの普及を通して、国産材の利用促進、林産資源の好循環につなげて行きたいと考えています。


環境とCLT

木は光合成を行い大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収し、自らの幹に固定する事で成長していきますが、成長が進むにつれて二酸化炭素の吸収量は減少してしまいます。そこで十分に成長した木は伐採し、CLTをはじめとした木材製品に加工して地上に「固定」する事で大気中の二酸化炭素を減少させることが出来ます。

一方、伐採した跡地には再度若い苗木を植えて、この苗木が成長する際に再び大気中の二酸化炭素を吸収する事で、地球環境の維持に貢献する事が可能です。CLTはこれまでの木材製品よりも大きな幅や長さを実現しており、製造する際には大量の木材を使用します。また木造住宅の減少により木材需要自体が減少する事が危惧される中、CLTと言う新たな木材需要を創出する事で、木材の使用量をさらに増やし、環境に対する好循環を維持拡大する事が出来ます。

CLTをはじめとした木材製品の積極利用は、上述の通り地球環境への好循環をもたらすため、2015年9月の国連サミットにおいて採択された2030年を年限として、地球環境と人類の発展の両立を目指す目標、持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)の考え方にもよく合致しています。

※ 持続可能な開発目標(SDGs)とは、 2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール、169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます(外務省HPより抜粋)。また環境問題のみならず、差別や人権など、人類が抱える様々な問題の全てを包括的に解決する事を目標としています。

SDGs

実績紹介

Ueta LABO 高知県
設計
(有)艸建築工房
施工
(株)中成
使用木材
桧CLT

CLT仕様詳細

CLT(直交集成板)仕様詳細(JAS認証製品)
樹種 構成の種類 強度区分 ラミナの構成 種別 使用環境 幅ハギ ※MB製造可能サイズ(mm)
対称異等級構成
同一等級構成
Mx60
S60
9-9
7-7
5-7
5-5
3-4
3-3
A種 A
B
C
可能 最大
※厚み 長さ
270
(300)
3,000 12,000
最小
※厚み 長さ
90
(60)
2,300 5,000
樹種 構成の種類 強度区分 ラミナの構成 種別 使用環境 幅ハギ ※MB製造可能サイズ(mm)
対称異等級構成
同一等級構成
Mx90
Mx120
S90
S120
9-9
7-7
5-7
5-5
3-4
3-3
A種 A
B
C
可能 最大
※厚み 長さ
270
(300)
3,000 12,000
最小
※厚み 長さ
90
(60)
2,300 5,000
樹種 構成の種類 強度区分 ラミナの構成 種別 使用環境 幅ハギ ※MB製造可能サイズ(mm)
桧杉ハイブリッド 対称異等級構成 Mx90
Mx120
9-9
7-7
5-7
5-5
3-4
3-3
A種 A
B
C
可能 最大
※厚み 長さ
270
(300)
3,000 12,000
最小
※厚み 長さ
90
(60)
2,300 5,000
樹種 構成の種類 強度区分 ラミナの構成 種別 使用環境 幅ハギ ※MB製造可能サイズ(mm)
トドマツ 対称異等級構成 Mx90 9-9
7-7
5-7
5-5
3-4
3-3
A種 B
C
可能 最大
※厚み 長さ
270
(300)
3,000 12,000
最小
※厚み 長さ
90
(60)
2,300 5,000

※ MB製造可能サイズとは、CLTマザーボード(CLTの原盤の事)の製造可能サイズの事です。CLTパネルとして、上記サイズより小さなサイズのご要望には、ご希望サイズより大きなサイズのCLTマザーボードから切り出して対応いたします。

※ 厚みについて、通常は最小90mm~最大270mmのみの対応になりますが、機材仕様上は最小60mm~最大300mmまで製造可能となっております。通常厚み以外のご要望がある際は、こちらも直接当社までお問い合わせください。


GALLERY

CLTの積層
CLTの積層
ワイドベルトサンダーによる削り作業
ワイドベルトサンダー
エセットレによる加工
エセットレによる加工
CLTの建て方
CLTの建て方

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