2x4部材(ツーバイフォー部材)とは、アメリカで開発された住宅の建築工法である2x4工法(ツーバイフォー工法)用の部材の事を指します。2x4工法は19世紀初頭、アメリカ開拓史の時代に新天地を求めて海を渡った開拓者たちにより生み出された建築工法で、開発されてからおよそ200年余りの歴史を持ちます。もともとは断面のサイズが2インチ(50.8mm)x4インチ(101.6mm)の材料を規格材として使用する事からこの名前で呼称されるようになりました。歴史の変遷に伴い、現在では厚み38mm x 幅89mmに規格が新たに統一されましが、名称はそのまま2x4と言う呼称で一般的に使われ続けています。
2x4工法では2x4材(38mm x 89mm)を中心に2x6材(38mm x 140mm)、2x8材(38mm x 184mm)など数種類の断面形状を持つ構造木材と合板などの面材を組合せて枠組みした面を作り、壁・床・天井などの面全体で構造を支持します。そのため日本では「枠組壁工法」と呼ばれています。日本で古くから用いられてきた軸組工法と比較し、面で耐力を保持する事から耐震性に優れるなどのメリットがあります。
もともと2x4工法はアメリカで開発された工法であったため、2x4部材もアメリカやカナダなどの北米を原産地としたSPF材がこれまで主流となってきました。SPF材とはS=スプルース(Spruce米トウヒ)、P=パイン(Pine松類)、F=ファー(Firモミ類)などの特性の似た常緑針葉樹が合わさった木材製品の事を指します。
北米の大規模製材工場で大量生産されるSPFの2x4部材は非常に高いコスト競争力を発揮し、北米からの輸入材でありながら国産材よりも安価に調達が可能であったため、国産材で2x4部材の市場に参入する事は難しいと考えられてきました。また、価格競争力の面のみならず、2x4部材は北米の規格が採用されており、製品長さがフィート単位で決まっていたため、メートル単位で原木(丸太)の伐採を行う国産材では2x4部材に求められる長さを製造することそのものが困難でした。
しかし、近年日本の製材工場も大規模化と製造における技術革新が進み、SPF材との価格の差もかつてに比べて少なくなりつつあります。更にフィンガージョイントなどのたて継ぎ技術も発達し、これまでフィート単位の長さへの対応が難しかった国産材でも、8フィートスタッド(縦枠材、材長2,336mm)製品などへの対応も可能になりました。当社では、国内で最も豊富に存在する針葉樹資源である「杉」の更なる需要開拓を目指し、新たな商品として、杉製品での2x4部材の製造を行っています。製品のラインナップとしては杉の2x4(38mm x 89mm)製品と2x6(38mm x 140mm)製品の無垢材とフィンガージョイント材のスタッド製品を中心に販売を行っています。
樹種 | 種類 | 表示寸法 表示含水率 |
等級 | ※製造サイズ(mm) | 主な用途 | ||
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厚み | 幅 | 長さ | |||||
杉 | 甲種 | 204D | 2級 | 38 | 89 | 2,336 | スタッド |
2,636 | |||||||
206D | 38 | 140 | 2,336 | ||||
2,636 | |||||||
杉 | 甲種 たて継ぎ材 |
204D | 2級 | 38 | 89 | 2,336 | スタッド |
2,636 | |||||||
206D | 38 | 140 | 2,336 | ||||
2,636 |
※ 製造サイズについて、上記サイズ以外にも対応可能な場合がありますので、ご希望の方は当社まで直接お問い合わせください。