- TOP
- 木材と環境
木は大気中の二酸化炭素を吸収しながら成長し、吸収された二酸化炭素は木の中に炭素として取り込まれます。木を伐採した後も、木材製品に加工された後も、燃やさない限り、取り込まれた炭素は固定されたままです。こうした性質を持つことから、木は「炭素の貯蔵庫」、木材は「炭素の缶詰」などと言われています。
木材を使用した建築物を建てることは、そこに炭素を閉じ込めることになり、それは地球温暖化防止につながります。つまり、木材の活用の幅を広げ、供給を促進することは、低炭素社会の実現、地球環境の保全に貢献していることになります。ちなみに木材に固定されている炭素の量は、木材の重量の約半分です。
木材はコンクリートや鉄などに比べて製造・加工する際に消費するエネルギー量が少なく、放出する炭素の量が少ない、エコロジーな素材です。たとえば住宅1戸当たりの材料製造時の炭素排出量を構造別に比較したデータによると、木造住宅は鉄筋コンクリート住宅の約1/4とかなり少ないことが分かります。
コンクリート造や鉄筋コンクリート造ではなく、木造で建物を造ることにより、炭素の排出を削減することができます。この点からも、木材の活用・供給を拡大することは地球温暖化防止につながると言えます。
ちなみに当社は一拠点で丸太から完成品まで一貫体制で製造していますので、輸送エネルギーの使用削減による炭素放出量の低減も実現しています。
材料製造時の炭素放出量 | |
---|---|
木造住宅 | 5.1t |
鉄骨プレハブ住宅 | 14.7t |
鉄筋コンクリート住宅 | 21.8t |
※ 出典/「炭素ストック、CO2放出の観点から見た木造住宅建設の評価」岡崎泰男・大熊幹章、木材工業Vol53.No.4、1998
木は二酸化炭素を吸収しながら成長しますが、樹齢が高くなれば二酸化炭素の吸収力は低下します。成長した木をいつまでもそのままにしておくと、森林が二酸化炭素を吸収する力は衰えていきます。
そこで重要になってくるのが、「育った木を伐採→木から木材等を生産→植える・育てる」というサイクルで森林資源を活用することです。そうすれば、森林の持つ二酸化炭素の吸収力は維持・向上します。
当社は林業事業者から木を安定購入し、木材製品を製造販売することを通して「森林資源の循環活用」推進の一助になりたいと思っています。
森林は、二酸化炭素を吸収し、炭素を固定させるという機能のほかに、山肌の土砂の崩壊を防ぐ機能や、雨水を地下水として貯留する機能、水を浄化する機能、森林の生態系を守る機能など、多面的機能を有しています。
ただし、森林が健全な状態でなければ、こうした多面的な機能は十分に発揮されません。森林を健全に育成するためには、森林資源の循環利用を図るとともに、人の手によって適正な管理・整備を行うことが必要です。
林業の生産活動を支えることが、森林の健全な育成、森林の多面的機能を守ることにつながります。当社は木材の需要拡大に取り組むことを通して林業の振興に貢献していくように努めます。
日本では古くから建築物の素材として木材が使われてきました。多彩な新建材が誕生し、人が求める空間が多様化するなかで、木材以外の素材が使われることも増えていました。ところが、近年、「ひとに優しい素材」「心地よい空間がつくれる素材」として、木材の良さが見直されています。木材には次のような特長があります。
この他にも、見た目の温もり感や肌触りの良さ、紫外線を吸収したり、音を吸収して心地よい聞こえ方に調整したりする効果などを持ちます。当社は、一般住宅に使用する構造材と、中高層建築物や大規模建築物に使用するCLT等の供給を通して「ひとにやさしい環境づくり」に貢献していきます。